【文責】 豊澤 栄治
マーケティングメトリックス研究所 所長
Markezineにて「 実践!WebマーケターのためのR入門」連載中
先日、友人が
「離婚調停中の俺が”幸せのメカニズム”について語るなんて、 どうかしてると思われるかもしれないけど…」
と言いながら推薦してくれた一冊。
同書は内容の面白さもさることながら、議論の土台となる「因子分析」(多変量解析の一つ)を非常に有益に活用している素晴らしいだと思えました。
同書では1,500名に対して29項目、87個の質問を実施しています。
この質問結果について分析を行っているのですが、因子分析の結果は数値の羅列にすぎません。
行動経済学、心理学、社会学など分野に囚われず先行研究の知見を活かして、その数値を丁寧に読み取り想像を豊かに解釈することで、幸せのメカニズムには4つの因子があると結論付けています。
①やってみよう因子:自己実現と成長の因子
②ありがとう因子:つながりと感謝の因子
③なんとかなる因子:前向きと楽観の因子
④あなたらしく因子:独立とマイペースの因子
例えば②のありがとう因子の「つながり」に関しては、
「親密な他者との社会的なつながりの多様性と(多様な人と接すること)と接触頻度が高い人は主観的幸福が高い傾向がある一方、つながりの数(接する人の数)は主観的幸福にあまり関係しない」
つまり
「たくさんの友人よりも多様な友人」が幸せにつながっていくと主張しています。
巻末には幸福に影響する要因48項目や参考文献として先行研究も丁寧に紹介されていますので、興味が沸いたトピックについて深堀してみるのも面白そうです。
※幸せのメカニズム 実践・幸福学入門 (講談社現代新書)
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