Gizmodoの記事はどれだけ人の心を動かしているのか?を分析してみた!

メディアの見えない価値を評価する!

ガジェット情報満載ブログのGizmodo(http://www.gizmodo.jp/)。
遊び心満載の読者目線で伝えられる記事は思わず見入ってしまうものです。
個人的にも好きでよく見るのですが、例えば、商品紹介を見たユーザーは実際にどれだけ影響を受け、態度変容を起こし、購買行動に影響を及ぼしているのでしょうか?

基本的にこういったメディアの記事広告など、効果測定が行われていないわけですが、広告効果測定ツール「アドエビス」の機能を利用することにより、それが可能になります。

そんなわけで、Gizmodoの記事は実際に「どれだけ消費者の購買行動に影響しているのか?」について分析してみました。

まず分析の方法は下記の通り。

 

この方法により当然、見えていなかったCV数を可視化することも可能になりますが、それらを含め、今まで見えなかった下記の情報を得ることができます。

 

以上のようなデータを見ることによって、ビュースルーコンバージョンだけではなく、記事広告を見たことによる態度変容までを可視化することができます。

まずはビュースルー(記事を見た読者の)CV数を分析してみた!

右記はコストが発生したリスティングや広告バナーのCV割合ですが、なんと全体の36%をGizmodo記事広告が占める結果となりました。
※上記は直接効果であり、CVに至る直前に接触したメディアを対象としています。

 

続いてコンバージョンパスを分析してみた!

コンバージョンパス分析図

先程は広告の直接効果のみでしたが、今度は自然検索&間接効果を含めたCVパスです。
自然検索を含めても全体の25%がGizmodoの記事を読んだ読者でした。

その25%のうち7割が記事を見た後、別の広告に接触することなく記事広告のリンクからCVに至っており、3割が別の広告をクリックしたユーザーor記事を見たことによりクリックさせたという結果になっています。
ちなみに、記事を見たあとの自然検索CV(2%)は全て「商品名」で検索がおこなわれており、その結果だけ見てもGizmodoの記事が商品を記憶させ態度変容を起こした可能性があるということになります。

ちなみに、コンバージョンパスをさらに細分化して上記のような図に置き換えると、メディアプランの参考としてわかりやすいです。
※縦軸はCVの直前広告、横軸はアシスト広告。マスの色は関係性の濃さ=アシスト数

 …
この枠内のバナーBは数多くのCVをアシストしています。
これを外すことは色の塗られたマス分のCVが減ってしまう可能性があります。
 …
直接効果(刈り取り)は得意ですが、アシストが苦手で周囲に助けられています。
 …
この枠内のGizmodoの記事広告は前述でも述べたように、
7割が単独CVなので比較的、自己完結の傾向があると言えます。

最後に期間別(日別)で分析してみた!

Gizmodoの記事広告が公開されてから30日間のビュー(広告はクリック)とCVとの相関をグラフにしました。
当然、公開日に記事広告のビューが増えますが、その後も継続してCVが上がります。

記事広告の公開後のビューは、その他広告とのクリック数と比較すると約1/15にも関わらず、コンスタントにCVを確保し、結果、CVRはその他の広告の6.2倍になりました。
この結果から、記事の親和性・読者のエンゲージメントの高さが想定でき、公開後も成果を上げていることが分かります。

まとめ

今回の分析により、Gizmodoの「見えていない効果」は予想以上に大きかったと言えます。
当然、商品やサービスの相性もあるので全てが同等の結果が出るようなことは無いのかもしれませんが、それにしても非常に効果的な記事広告であったと言えると思います。

また、実は今回の分析はGizmodoを運営する株式会社メディアジーンの方からお声掛けいただき、実施に至った経緯があります。個人的にはココが一番のイノベーションでした。

メディアは第三者からの効果測定・効果開示を避けたがるもの(というイメージ)でしたが、まさかメディア側から「効果を測って可視化してほしい」と言われるとは思いませんでした。(実際、以前同様の企画を媒体社に何社か持ち込んで断られたりしました…)

アトリビューションという考え方が浸透し始めて、それを可視化する動きも活発になっていますが、媒体は記事広告や自媒体ならではのコンテンツ・バナー等、その他広告とはまた違った影響を読者に与え、態度変容を生み、消費活動を活発にさせていると思うのです。

そのことを勇気を持って実践してくれたメディアジーン社に感謝するとともに、今後こういったことを実践する媒体社が増えることが、業界の更なる発展につながると信じています。

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