検索クエリのトレンドを、リスティング広告に活用する方法

リスティング広告では、何千もの膨大なキーワードが登録されているアカウントはよくありますが、実際にキーワードを作るとなると、大変な作業となります。キーワード生成ツールを利用する、もしくは思いつくがままに作成する手法がありますが、その他にも、「効果のあるキーワード」を検索クエリから導き出す手法があります。

基本的な話となりますが、検索クエリとは、検索エンジンでユーザーが入力した単語、もしくは複数語となります。検索ボックスに文字列を入力して検索をした結果となるため、例えば「キャットフード」を部分一致で出稿している場合、「猫ごはん」という同じ意味をもつ別キーワードが検索クエリとして検出されることもありますし、他のワードと組み合わせられた複数語、「キャットフード ダイエット」が検出されることもあります。

リスティング広告の媒体管理画面から、このような検索クエリを一覧で抽出することができますので、部分一致で登録されている広告の検索クエリから、下記のような改善を行うことが可能となります。

・完全一致として登録すると、より効率が良いであろうワードを見つける
・サイトとの関連ないワードを除外ワードとして登録する

例えば、「キャットフード」の部分一致の検索クエリから、「キャットフード 成分」など他のワードと組み合わせて検索された、成果の出ていないワードや、組み合わせて検索された際に成果がでているワード「天然 キャットフード」を見つけることができます。

検索クエリクリックCV改善案
キャットフード151
キャットフード 成分380クリックが多いがCVがないため、除外ワードとして登録
天然 キャットフード162成果が上がっているワードを完全一致で登録

上記例であげさせていただいた改善案を実施することにより、リスティング広告の効率を上げていくことができます。

ただし、リスティング広告の運用では、キーワードの登録だけではなく、広告文の作成や、ランディングページの最適化、また予算の調整など多くの作業をこなさなければなりません。したがって、キーワード最適化にフォーカスして定期的に時間を取ることは難しく、検索クエリの最適化についてはキーワードを作成(Plan)し、それを出稿(Do)するまでにとどまっているケースが多くなっております。

時間にさえ余裕があれば、リスティング広告の検索クエリだけではなく、自然検索での流入があった検索クエリについてさらに踏み込んで分析し、より広い範囲で最適化を進めることができます。

リスティング広告とSEO流入の結果を比較する

例えば、「アドエビスPetShop」というペット用品サイトの広告とSEO流入のデータを、検索クエリ別に同一テーブルで表示すると、下記のような結果となります。

検索エンジン検索ワード広告SEO傾向
クリックCV流入
回数
CV
GoogleAD EBiSの猫缶305324バランスが良い
Googleアドエビス キャットフード19415379SEOに強い
Googleデブ猫 おすすめフード8240広告に強い

同一の検索クエリでも、リスティング広告と自然検索流入からそれぞれの成果があがっています。
広告/SEOそれぞれの傾向をつかむことによって、例えば、SEOに強い、「アドエビス キャットフード」というキーワードについて出稿金額を下げた場合でも、ユーザーが自然検索から流入すると期待できるため、リスティング広告のコストを効率的に削減していくことができます。(実際にはCVRやCPC、売上金額、ROASなどを加味する必要があります。)

リスティング広告とSEO流入について全体を把握する

リスティングと自然検索流入の検索クエリ全体をただ見るだけでは傾向の把握が難しくなりますが、「指名系」「悩み系」「競合他社名」などのカテゴリ分けや、「コンバージョン数」「流入回数」の絞り込み検索をするだけで、以下のようなマトリックス図への置換が図りやすくなります。

例えば、縦軸を自然検索からのコンバージョン、横軸を広告流入からのコンバージョンと分け、検索クエリ別にプロットをした場合、下記のような図となります。

プロットしたキーワードを①~④/エリア外というようにセグメント分けをし、それぞれの下記のような施策を考えていくことができます。

SEOに強い検索クエリ群
自然検索で多く成果が上がっているが、リスティング広告では比較的成果が低くなっている検索クエリ群となります。リスティングで表示がなかった場合でも、自然検索より獲得が見込めますので、該当するワードの入札価格ダウン/出稿停止するなどを検討できます。ただし、リスティング広告の掲載順位が低い場合は、検索されていたとしても、お客様が競合に流れて行っている可能性がありますので、入札価格アップも検討対象ともなります。
バランスが良い検索クエリ群
バランスよく成果の出ている検索クエリ群となります。リスティング広告で出稿金額が高いワードに関しては入札価格ダウン/出稿停止するなどで、自然検索からの流入を増やし、出費を抑えていくことが可能です。
まあまあな検索クエリ群
リスティング広告と自然検索どちらでも大きく成果を上げていないが、成果を上げるためのポテンシャルを持っている検索クエリ群となります。リスティングで出稿がされていないワードは出稿をする、部分一致で出稿しているワードは完全一致でも出稿する、などの施策が考えられます。
ADに強い検索クエリ群
リスティング広告に多く成果があがっているが、自然検索流入ではあまり成果が上がっていない検索クエリ群となります。リスティング広告として成果をあげていくワードとしてのポテンシャルがあるワード、と考えられるので、より効率の良いリスティングの設定ができないかをご検討いただけます。
CVがない検索クエリ群
コンバージョンが自然検索でも広告でも計測がされていない検索クエリ群となります。「4」と同じようにポテンシャルは持っていますが、成果の上がりにくいキーワードですので、キャンペーン予算を取られすぎないような、セグメントが必要となります。また、除外ワードはこちらから探すことができます。

マーケティング施策の結果の確認、分析と改善、次回施策への提案は、ツールを活用していくことにより、それほど時間をかけることなく、上記の例のように簡単に遂行することができます。
クエリを分析するためのツールはいくつかありますが、アドエビスでは上記クエリ分析専用の機能を2012年12月17日に新しく搭載いたします。
⇒詳しくはこちらをご確認ください。
今回は、費用の削減、売上アップにつなげる施策を例として上げさせて頂きましたので、参考にしてみてください。

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