前回(本当に痩せてるの?重回帰分析でダイエットの成功を予測する)の記事の続きです。
ダイエットのため、ライザップに3ヶ月通ったマメ研所長・松本ははたして何キロ痩せたでしょうか。
峯岸みなみはライザップに通って「くびれ」を手に入れたようですが、松本は何を手に入れたのでしょうか。
※ちなみにこのコンテンツはライザップの記事広告ではありません!念のため!
ライザップに通ってどれくらい痩せたのか?
まず、ダイエット前後の体型比較をします。
この変化。
ライザップでのダイエットは成功と言えるでしょう。
ちなみに、生まれて初めて腹斜筋が見えるようになりました。ライザップの肉体改造のおかげです。峯岸みなみはくびれを、松本は腹斜筋を手に入れたわけです。
さて、ライザップに通うこと3ヶ月、体重・体脂肪がどのように落ちていったか、以下のグラフにまとめてみました。
年末年始の5日間は休んだものの、順調に減量に成功しました。
一方で体脂肪率は苦戦しました。ただし率でおよそ変化していないなくても体重自体は減っているので、脂肪自体は減っています。
月単位の経過を見てみると最初の1ヶ月が凄まじく、残り2ヶ月は何だか緩やかにも見えます。
ただし85キロのデブが1キロ落とすのと、73キロのポッチャリが1キロ落とすのは訳が違います。なぜなら落とせる”余分な体重”に差があるからです。
つまり「減量」は絶対量で見るのではなく、割合(分子÷分母)で見る必要があります。
分子は「前日と比べて何キロ落ちたか?」、分母は”余分な体重”すなわち「現体重-適正体重」です。松本は身長が174センチなので、体重66.6キロが適正体重になります。
適正体重に近付くにつれ、自然と減量も落ちるはずですが、落ちていく割合は同じだと思うのです。その推移は以下の通りです。
赤線より上は昨日より増量、下は昨日より減量を表しています。かなり乱高下していますね。全体の平均は-1.25%、標準偏差は5.12%でした。
体重は、いつ測るか、昨日何食べたか、ウンコが出ているか等、様々な影響を受けると思いますから、たった1日だけで判断し辛い点があります。
ライザップで苦しい肉体改造に励んでいるのに0.1キロも痩せてない!なんて日はよくありました。
ですから、こうした誤差に影響されない「中期」のトレンドを見るために、移動平均を使って「短期」のトレンドを打ち消してみましょう。
3地点(3日間)と7地点(1週間)の単純移動平均線を算出してみました。以下の通りです。
かなり平滑化されました!
3地点の平均は-1.02%、標準偏差は2.31%。7地点だと平均は-0.96%、標準偏差は1.08%となりました。
つまり「最適体重に向けて1日約1%ずつ痩せている」のです。順調なダイエットだったと言えるでしょう。
ダイエットは脂肪と筋肉で分けて考える
私見ですが、ダイエットを成功に導くなら、体重を「脂肪」と「筋肉」に分けて考えることをお勧めします。
なぜ私たちがダイエットをしたいかと言えば、締まりの無い腹やプニプニの二の腕を引き締めたいからです。すなわち脂肪の燃焼です。
しかし殆どの人が、誤ったダイエットを行い、脂肪より筋肉を減らしているわけです。ライザップのトレーナーからも「脂肪を落とす、筋肉は維持する」と口を酸っぱくして言われました。
松本の3ヶ月も以下のように推移しました。
脂肪が7キロ、筋肉も4キロ落ちています。本来であれば脂肪だけで11キロ落としたかったのですが。そこは反省点です。
では、いかにして脂肪を落とし、筋肉を維持するダイエットを成功させるか、その方法を紹介し、分析してみたいと思います。
ライザップに通ってどうやって痩せたのか?
ダイエットは食事8割、運動2割と言われていますが、ライザップでは食事のコントロールを重点的に指導してもらいました。
松本の希望は「ダニエル・クレイグのようなスーツの似合う身体」だったのですが「そのためには食事から変えないと無理です」とライザップのトレーナーにバッサリ切り捨てられました。
そのため、以下の食事制限ルールを遵守するよう厳しく指導されていました。
・糖質(炭水化物)は1日50グラムまで
・タンパク質は1回30グラム程度まで、1日110グラム以上
・なるべく摂取カロリーは前日の基礎代謝程度
ライザップ=厳しい食事制限=糖質制限=糖質取らないとか脳に悪いだろ草生えるわ、という批判もありますが、糖質を摂るなと言われたことは1度もありません。言われているのは摂りすぎるなだけです。
1日に摂取した糖のうち、エネルギー源として使われなかった糖が脂肪として蓄積されるわけですから、糖質の摂取量を減らすのと基礎代謝を上げるのは理に適っていると思います。まず蓄積をしない、そして脂肪燃焼できる体にするわけです。
ちなみに必要なエネルギー源として1日に摂取した糖を使い切ると、まず脂肪、そして筋肉を燃焼するようです。なので、糖質は取らなすぎるのも問題です。筋肉が燃焼してしまうからです。
だからこそ週2回、ライザップでマンツーマンの肉体改造に励み、タンパク質を摂取して筋肉が落ちないよう励んでいたわけです。
※メカニズムについて本当に諸説あるので、詳細は別の研究機関に譲ってもらいます。ここは素人が手を出しすぎると火傷する。
では、ダイエットに成功した理由はこうした食事制限と肉体改造トレーニングにあるのか、検証してみましょう。
まず、7地点平均で見て摂取した糖質、タンパク質の推移を確認します。
最初の頃は何を食べていいかわからず、過剰に糖質を遠ざけタンパク質ばかり食べていました。そのたび、ライザップのトレーナーからダメだしを食らいました。
まず日々の脂肪減少(y)の理由から考えてみます。
やはり、1日あたりの糖質を50グラム以下に制限したこと(x)でしょう。この制限がどれくらい脂肪減の効果があったのか、回帰分析してみます。
# 時系列データなので、それぞれのデータがランダムウォークでないか、事前に単位根検定を行っています。
# 今回はRでPhillips-Perron検定を行い、単位根があるとは言えないことを確認済みです。
50グラムを0として、そこから1グラム少ないほど体脂肪が前日比約5.7グラム減るというモデルが完成しました。P値も低いので、このモデルは採用できそうです。
決定係数は約40%ですが、データ量からしてもこんなもんでしょう。
糖質制限が脂肪減少に大いに効果を発揮したと言えそうです。いわゆる炭水化物ダイエットというやつですね。
次に日々の筋肉減少(y)は何の影響かを考えてみます。
これは、1日あたりのタンパク質を110グラム以上に設けたこと(x)でしょう。さらにライザップで肉体改造に励んだこと(x)も含めたいですね。この2つが、どれくらい筋肉減を押しとどめたか、回帰分析してみます。
# 同じくPhillips-Perron検定を行い、単位根があるとは言えないことを確認済みです。
タンパク質量を摂れば摂るほど、前日比で比べた筋肉量減少の量が増えるという結果になりました。
しかも、ライザップに行った日の筋肉量は約−0.02キロになるという結果になりました。こちらは、P値から考えてあまり信用できませんが…。
決定係数も高くありません。必要とするXが足りていないようです。あるいは分析手法を変えたほうが良さそうです。たぶん共分散構造分析が良いと思われるのですが…。
1つ言えることとしては、この3ヶ月のライザップでのダイエットは体重減少がメインであり、筋肉量の維持・増加がメインでは無いことです。
まずは体脂肪を削げ落とし、筋肉が付きやすい体にすることに専念していたため、タンパク質量やライザップでトレーニングしたことへの影響のみでは筋肉量の変化は語れないようです。
ちょっと悔しい結果です。
ちなみにライザップに通うとリバウンドするとよく聞きます。そりゃこの3ヶ月の内容から考えて食事制限がメインだから、食事内容をダイエット前と同じにするとリバウンドします。
ライザップ=激しいトレーニングというイメージですが、実際は食事コントロールなどの指導をしてくれる“並走者”というイメージです。
間違いないのは、1人ではこの結果は得られなかったということです。その点において、本当にライザップには感謝しています。
まとめ
ライザップに通ったことで手に入れた肉体を、統計的に解析してみました。
ダイエットの見方、体脂肪を減らすためのアプローチがわかって良かったです。
ただ筋肉については納得のいく解答を自分で得られず、引き続きライザップに通うことで研究を続けたいと思います。
というわけで、「いや〜、腹筋こんなにボコボコなんEXILEかマメ研所長ぐらいですわ!」に続きます。(続くのか?)